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  • 執筆者の写真sakurasgss

PCBにEMG?タンザニアの高校進学の謎の暗号とは?

更新日:2022年6月2日

PCB、EMG、HGE、EGM、HKL...


みなさん、これがどういう意味か分かりますか?


今日は、タンザニアの学校で出てくる、この暗号のような不思議な言葉について解説します!

タンザニアの中学校では、学校ごとに英語や数学、化学、物理、公民、体育、芸術などから、学校ごとに最低7つ以上の教科を選択して授業が行われます。


ちなみに、さくら女子中学校では、国語(スワヒリ語)、英語、数学、化学、物理、生物、地理、歴史、公民の9科目が学ばれています。


中学4年生の最後に受ける国家試験(全国統一の学力試験)では、基本的には中学校で学んだ教科のテストを受け、その結果によって進学先が変わります。


★ここまでのお話は、ブログ記事に詳しく書いていますので、以下をご参照くださいね。


さて、ここからが今日の本題です。


「国家試験の結果によって進学先が変わる」


と書きましたが、


このとき、進学先の高校だけでなく、高校で学習する科目も決まります。



タンザニアの普通科高校に進学する場合、選択科目を3つ選んで、その3つの科目の専門性を高めます。

(※「一般教養」という共通科目の授業もあります。)


この3つの選択科目の組み合わせを「コンビネーション」と呼びます。



コンビネーションの名前は、教科の名称(英語)のイニシャルのアルファベットを3つ並べて表されるのですが、


例えば、


Physics(物理)・Chemistry(化学)・Mathematics(数学)の組み合わせならPCM


History(歴史)・Geography(地理)・Kiswahili(スワヒリ語)の組み合わせならHGK


といった感じです。



これが、最初に書いた「PCB、EMG、HGE、EGM、HKL...」などの、暗号のような言葉の正体です。



ちなみに、コンビネーションはこんなにたくさんの種類があります。


理系コンビネーション

  • PCM:物理・化学・数学

  • PCB:物理・化学・生物

  • PGM:物理・地理・数学

  • EGM:経済・地理・数学

  • CBG:化学・生物・地理

  • CBA:化学・生物・農業

  • CBN:化学・生物・食品と栄養


文系コンビネーション

  • HGL:歴史・地理・英語

  • HGK:歴史・地理・スワヒリ語

  • HKL:歴史・スワヒリ語・英語

  • KLF:スワヒリ語・英語・フランス語

  • ECA:経済・商業・会計

  • HGE:歴史・地理・経済


★教科のアルファベット一覧

P:Physics(物理)

C:Chemistry(化学)

B:Biology(生物)

M:Mathematics(数学)

G:Geography(地理)

A:Agriculture(農業)

N:Food and Human Nutrition (食品と栄養)

H:History(歴史)

L:English Language(英語)

K:Kiswahili(スワヒリ語)

E:Economics(経済)

C:Commerce(商業)

A:Accountancy(会計)

※CやAなどが重複していますが、タンザニア人の共通理解で問題ないようです。



この組み合わせは、大学進学、そして将来の職業選択に大きく影響します。



例えば、


大学の医学部に進学するためには、PCB(物理・化学・生物)のコンビネーションを履修することが必須ですし、


パイロットになるには、PGM(物理・地理・数学)のコンビネーションの履修が必須です。


つまり、中学最後の国家試験の結果が、将来の職業選択に直結してしまうというわけです。



しかし、「女子生徒の理系科目の成績が男子生徒と比べてとても低い」ことは、タンザニア全国の課題となっていますし、その結果、職業選択にも男女差が大きく影響しています。(★以下の記事参照)

タンザニアでは、積み重ねの重要な理系科目を苦手とする生徒が非常に多いことから、文系より理系の方が、進学が難しいと言われています。


そして、全国の進学に関するデータを見ても、理系・文系の進学率にジェンダーギャップが見られます。


そんな中、理数系科目に重点を置いたさくら女子中学校の生徒は、昨年、大半の生徒が理系に進むことができました。

進学に関する全国との比較

そしてその成果は、年々上がって来ています。(★以下の記事参照)


今後も、さくら女子中学校が、「夢を叶えられる学舎」として、よりよい学校に成長していくことを目指します!!!


 

※余談ですが、2021年より始まった、新しいコンビネーションもあるそうで、以下のものがいくつかの高校で試験運転中だそうです。


  • PMC:物理・数学・コンピュータ(Physics,Mathematics, Computers)

  • KFC:スワヒリ語・フランス語・中国語(Swahili, French, Chinese)

  • KLC:スワヒリ語・英語・中国語(Swahili, English Language, Chinese)

  • PEBFA:体育・生物・芸術(Physical Education, Biology, Fine Art)

  • PEGE:体育・地理・経済(Physical Education, Geography, Economics)


後半は、


・PE:Physical Education(体育)

・FA:Fine Art(芸術)


と、2文字になっていますね。


P、E、F、Aと、重複したアルファベットが増えてしまったからでしょうか?(笑)



 

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