試験勉強だけじゃない!さくらの実践する全人教育とは?
更新日:2021年9月19日
今日は、さくら女子中学校の実践する「全人教育」についてお話ししようと思います。
以前、「生徒中心型の授業」についての記事でも紹介しましたが、タンザニアの学校では、教室や教員の不足が課題となっています。加えて、試験が知識を問う問題中心である、などの理由もあり、タンザニアの学校では、なかなか「知識を身に着けること」以外の勉強が充実していません。
さくら女子中学校では、質の高い理数科教育や、生徒中心型の授業を推進すると同時に、「全人教育の実施を促進するための校内体制を作る」という目標があります。
「全人教育」の学習として、日本からの大きなご支援のもと、「環境教育」「国際理解教育」「スポーツ」「食育」など、様々な分野を学んでいるのですが、今日はその実践について、ビデオを用いながら紹介します。(文章だけでも伝わるかと思いますが、ぜひビデオも1つ2つ見てみてくださいね。)
環境教育
まず、「環境教育」の分野では「世界一貧しい大統領と呼ばれた、ムヒカ大統領のスピーチ」を聴き、「感じたこと」「私たちにできること」を意見シートにまとめました。
また、「日本のある高校の生徒も同じ活動を行い、お互いの意見を交換する」という活動を行いました。
食育
「食育」の分野では、秀明インターナショナルのご指導のもと、圃場でトウモロコシや野菜を育て、それを給食として自分たちの食事にすることで、「食べること」を学びます。
昨年は、雨季の時期が遅れてしまい、みんなで力を合わせて植えたトウモロコシが全滅してしまうという災難もありました。しかし、そんな中からも、「自然の厳しさ」「農業の難しさ」を学んだのではないでしょうか。
国際理解教育
「国際理解教育」の分野では、例えば、東京オリンピック・パラリンピック2020に向けて、「他の国の応援の仕方は、タンザニアとは違うのか?」というテーマで世界の文化を学びながら、世界の応援の仕方を通じて、文化を学びました。
また、「国際理解教育」の一環として、さくら女子中学校では、「日本文化の授業」を取り入れています。単に日本語を学ぶだけではなく、日本の文化を通じて、日本の良さ、面白さを学びます。「七夕」や「こどもの日」など、日本の節句の祝い方を経験したり、時にはみんなで浴衣を着てみたり、内容は様々です。
さらに、さくら女子中学校には、毎年多くの日本人が訪問してくださるので、それだけたくさんの交流があり、日本について多くのことを学んだり、タンザニアのことを紹介する機会もあります。
「タンザニアの伝統布を使ったファッションショー」や「伝統ダンス」など、タンザニアならではの文化を紹介することでおもてなしをします。自分たちの国や地域の良さを守ることも、全人教育の要素と言っていいのではないでしょうか。
スポーツ
「スポーツ」の分野では、日本とタンザニアの元オリンピック選手の方が、さくら女子中学校にお話に来てくれたり、選ばれた4名の生徒が、レディースファーストというJICAの主催するイベントに行き、「スポーツと女性の地位」についてたくさんのことを学びました。(詳しくは、以前の記事「女性のための陸上大会 レディースファーストinダルエスサラーム!」をご覧ください。)
タンザニアのほとんどの学校は、体育の授業がなく、あってもスポーツのルールを学ぶだけの「座学」で終わってしまいます。しかし、意欲的な先生の指導のもと、さくら女子中学校では、毎朝の「ラジオ体操」や、週2回の体育を欠かさず、日頃から運動を愉しむ雰囲気ができています。
「国家試験のための勉強」に時間を取られがちなタンザニアの学校ですが、さくら女子中学校は、JICAやご支援者の方々の協力のもと、情操を育てるための幅広い教育も取り入れることができているのです。
いつか、さくら女子中学校の教育がモデルとなり、「全人教育」を取り入れる学校が増えることを願っています。
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